ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
EPISODE#7
ウシオは私を無理矢理後部座席に押し込むと、自分もその隣に腰を掛けた。
シートベルトを締めた後、
ウシオが運転手に告げた場所は、そこから1番近いホテル街だった。
「えっ…、ちょっと、ウシオ…?!」
再度びっくりして彼の方を見ると、
ウシオは右手で私の左手をぎゅっと握りしめた。
「心配するな。今日は俺がお前を慰めてやるから」
「……」
そんなことを言われても、正直私はかなり複雑だった。
好きな人にそんなふうに言われて嬉しくないわけはないんだけど、
徐々に酔いが冷めてきた今、
頭の中にサキさんの顔が浮かんで、彼女に対してすまない気持ちになった。
トモシと寝たときは彼の奥さんがどんな人か知らないからそんなこと全然考えずにいたけど、
ウシオの彼女とは面識がある分、
彼と寝るなんてことになったら、やっぱり後ろめたい感じがする…。