極上ショコラ【短】
「ほら、逃げるな」


体はもう無理だと訴えているのが、嫌と言う程にわかるのに…


「大人しく俺に抱かれろよ、雛子」


篠原がとろけるような甘い声音で囁くから、次第に抵抗する為に全身に込めた力が弱まっていく。


そうなってしまえば流されるのは簡単で、吐息混じりの声が漏れた。


「口、開けろ」


いつの間にか両手は解放されていたけど、すっかり篠原のペースに嵌まっていたあたしは、それに気付いてもバカみたいに従順だった。


恥ずかしさに戸惑いながらも、怖ず怖ずと唇を開く。


すると、篠原は満足げな笑みを浮かべ、熱い舌を絡ませた。


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