極上ショコラ【短】
篠原が社交的な場を嫌い、それ故にあまり表舞台に出ない事はファンの間でも有名な話で、もちろん担当者としてもよくわかっている。


“小説家は作品だけを露出させるべき”という持論を掲げている彼は、その言葉通りメディアやパーティー等にはほとんど顔を出さない。


ルックスを利用して“イケメン小説家”として売り出せば今以上のヒットが見込めると、社長や編集長は意気込んでいた事もあるけど…


それを嫌悪する篠原の機嫌を損ねない為にも、ここ最近は口に出さなくなった。


担当者としてもファンとしても、そんな彼の姿勢は素晴らしいとも、尊重したいとも思う。


だけど…


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