極上ショコラ【短】
「何度もお願いしているパーティーの件ですが……」


「またその話か」


不満の色が強くなった表情に、ニッコリと笑みを繕う。


「先生の作品の打ち上げですよ?作者が参加しないなんて、監督や出演者を落胆させてしまいますから」


「脚本家がいるだろうが」


「原作は先生の作品ですから。今回のパーティーの主役は、ある意味先生なんですよ」


「お前も知ってるだろ、俺はそういう場が嫌いなんだよ」


「それはわかっています。ですが、今回は主演のセリナさんの強い希望でもあるんです」


「お願いします」と頭を下げると、篠原が眉を寄せた。


< 22 / 77 >

この作品をシェア

pagetop