極上ショコラ【短】
ネイビーのドレスは、親戚の結婚式に出席する為に購入した物。


ハイネックホルターのミディアム丈で落ち着いたデザインとは言え、ノースリーブを着る事なんて滅多に無いから、あたしなりに精一杯頑張って選んだつもりだった。


だけど…


「……学芸会の衣装みたい」


セリナさんの前では、あたしのドレスなんて思わず漏れた言葉程度の物にしか見えないのだ。


そして…


何よりも華が無いのは、それらを纏っている自分(アタシ)自身。


その事実を痛感したからこそ、篠原とセリナさんが恋人同士に見えた事に嫉妬心を抱き、居た堪れなくなってしまったのだから…。


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