極上ショコラ【短】
「おい……」


「先生の気まぐれで振り回されるのは、もうたくさんです」


篠原を遮ったあたしは、彼を睨むようにして見上げた。


「セリナさんと楽しそうにされていたんですから、そのまま朝まで過ごせば良かったんじゃないですか?」


口をついて出て来るのは、あまりにも可愛いげの無い言葉ばかり。


「あんなに綺麗な方なんですから、先生だって本当は満更でもなかったんでしょう?」


本当は、こんな事を言いたい訳では無いけど…


「あたしの事なら、別に気を遣って頂かなくて構いませんから」


ドロドロとした感情を纏った嫌味ばかりが、次々と声になった。


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