祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
カゼは美咲の痛々しい姿を見て、悲しそうな表情を浮かべると美咲を抱きしめた。



「………兄貴じゃなくて俺を選べばよかったのに」

「風?」

「………俺なら義姉さんを大切にするのに…どうして見た目は似てるのに兄貴を選んだんだよ」



カゼはイトコである美咲に小さい頃から想いを寄せていた。


自分より大人で優しい彼女を愛しいと思っていたのだった。




「…私、優しくされたい…。昔の優しい海が大好きなのに…乱暴で冷たい今の海は嫌い…」

「………今は俺を兄貴だと思っていいよ。…美咲」



カゼはその日、美咲を抱いた。



罪悪感に駆られたけど、ずっと求めていた女性との行為は幸せそのものだった。



カゼは体中に出来た美咲のアザに優しいキスを落とす。



海の代わりとして見られているけれど、今はそんな事はどうでもよかった。



カゼはこの時、ふと星にかけた願いを思い出した。



そして美咲の体温を感じながら

願いが早く叶えばいいと強く思った。
< 194 / 479 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop