祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
イノリとキヨがキヨの家に入ると、キヨの部屋でカンナとケンが待っていた。




「ごめんね、勝手にあがっちゃって」

「何を今更。昔からよく勝手に5人の家に入りっこして遊んでたじゃない」



キヨがケンとカンナに手を振ると、イノリがケンの前に座り頭を下げた。




「どうした?イノリ」

「ケン悪い。…やっぱキヨはやれねぇや。お前とキヨを祝福なんかしてやれない。…本当ごめんな。キヨは俺が貰うわ」



やっと聞く事が出来たイノリの本音に、ケンは涙を浮かべた。




「…遅せぇよ、イノリ。気付くのが遅い」

「もう逃げたりしない。だからキヨと別れてくれ」



頭を下げるイノリの後ろからキヨが話し始めた。





「ケン。…ケンの優しさが私をいつも救ってくれてたよ。凄く幸せだった…でもね、どんなに辛くても私はイノリじゃなきゃダメみたい」


「わかってたよ。ずっとキヨを見てきたんだ、それくらいわかるよ」




ケンは立ち上がるとキヨに歩み寄り、頭を撫でた。




「おめでとう、キヨ。やっとイノリを掴めたな。幸せになるんだよ」

「ありがとう、ケン」



ケンは微笑むキヨを見て視線をカンナに移した。


ケンとカンナは顔を見合わせると頷いた。
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