祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
4人も渋々拳を突き出すとみんなでスイカを囲み、スイカの上に手を乗せた。



「じゃあ行くぞ。…せーのっ!!」



イノリの掛け声に合わせて手を振り上げると、一斉にスイカを叩いた。

庭には鈍い音と5人の悶絶する声が響く。




「ギャーッ!!痛ーいっ!!」

「かってぇ!!手がビリビリする!!」



5人が手を押さえながらスイカを見ると、スイカのてっぺんが少し割れていた。




「………あと3回くらいだね」

「えっ!?まだ素手で割るの?」

「こうなりゃ自棄だ!ほら、手ぇ出せ!!」



その後暫くケンの家の庭には、鈍い音と悲鳴が響いていたと言う。



疲れ果てた5人は、痺れて震える手でスイカを持ちながら縁側に座っていた。



「…スイカ割っただけなのに何でこんなに疲れてるのかしらね」

「本当だよ。手が痺れてスイカ食べれないし」

「………血と涙の結晶」

「ちょっと違うよ、カゼ」



5人は風鈴の音色が聞こえる縁側で、スイカの種を飛ばして遊んでいた。



来年の夏までにバットを買っておこうと決心したある夏の夜。
< 269 / 479 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop