祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「いい加減起きろよな。行くぞ」

「――ッあ!!やだぁぁ!!!!」



イノリがキヨを降ろすと、キヨは泣き叫びながら体をべちょっと床に這いずらせた。


まるで駄々をこねる子ども。




「わかった、わかった。抱っこしてやるからそんなに泣くな。…ったく、いくつだよお前は」



イノリは床に這いずるキヨを抱き上げると、キツく抱き締めた。

抱き締められたキヨは泣き止む。



イノリは自分の胸で眠るキヨを見て優しく微笑むと、カンナ達の元へ向かった。




「まだ起きないの?」

「あぁ。俺から降ろしたら号泣しやがった」

「でもそれじゃ自転車乗れないわよ」



イノリが悩み出すと、カゼがポンと手を叩いてどこかに走って行った。




「あれ、カゼはどこ行ったの?」

「知らねー。どうせしょうもない事でも思いついたんだろ」

「それよりイノリ!キヨの裸見なかっただろうな!?」

「見てねぇよ。お前じゃあるまいし」




ケンはイノリの顔を見ると、ニヤリと笑いキヨを奪い取った。
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