祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「カゼのお兄さんいるでしょ。その話」


「……?お兄さんの話で何でカゼが怒るの?」


「キヨも知ってるでしょ?カゼとお兄さんがお互いの事を嫌ってること」


「それは何となくなら知ってるけど…。でも、なんでカンナに怒るの?」




キヨの問いに、カンナは悲しそうに笑った。



「大嫌いなお兄さんのことを、私なんかに突かれて嫌だったのよ」


「カンナに怒るほど嫌い合ってるんだね」


「2人は顔も性格もそっくりだから、自分を見ているみたいで嫌なんだと思う。自分では気付かない欠点がわかるから」


「カンナは本当によくカゼの事見てるんだね。私そんな事全く気付かなかったよ」


「好きな人だもの。そりゃ見るわよ。だから私も知らないイノリの一面をキヨは知ってるんじゃない?」


「全然!イノリは何考えてるのか全くわからないよ」




キヨは勢いよく首を横に振る。



カンナとキヨは恋バナに話を膨らませながら夕食を作っていた。
< 43 / 479 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop