私達は机の落書きから始まった。
 
 
力弱い腕をほどいて、振り返る。
 
 
暗くて遼平の表情が読み取れないけど、
 
 
「泣いてるの?」
 
 
よく見えないのに、遼平が泣いてるように見えた。
 
 
頬に手を添えると、確信した。
 
 
一筋の涙に触れた。
 
 
拭うように指を動かすと、私の手の上に、大きい手が添えられた。
 
 
「泣いてなんかねぇよ。」
 
 
「……嘘つき。
 
私には嘘なんてつかないで。」
 
 
今度は私が遼平を抱き締める。
 
 
力強く。
 
 
「…真似すんなよ…」
 
 
小さい声で そう言って、私の背中に腕を回した。
 
 
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