私達は机の落書きから始まった。
 
 
私の前に遼平が来た。
 
 
好きな人といえども、ボールを渡すわけにはいかない。
 
 
渡したら、やっくんに何て言われるか…
 
 
考えただけで、ゾッとする。
 
 
ドリブルをして、遼平の横を通り過ぎようとした時に
 
 
私の持っていたはずのボールが、遼平の手の中に。
 
 
そして、
 
 
「ねぇ、
 
俺だけを見てて…」
 
 
そう言って、反対側のゴールへと走っていく遼平。
 
 
振り返ると、ドリブルシュートを決めていた。
 
 
「澤田ぁぁ~‼」
 
 
もう、やっくんの声なんて聞こえない。
 
 
< 289 / 400 >

この作品をシェア

pagetop