スイートホーム
あれから約1ヶ月が経過した今、加奈には再び私と話したい議題が浮かび上がったらしい。


しかも今度はちゃんと顔と顔を突き合わせて。


今さら梨華の件を蒸し返す為に会う訳ではないと思うのだけど…。


あれはもう終わった事だし、あの時の電話ですべて出しきった感があるから。


一体どんな内容なのか、皆目見当がつきゃしない。


「…とりあえず、お風呂に入って来ようかな」


ジタバタ暴れるのはすぐに飽きた(疲れた)ので、体の動きを止め、再びラグの上に無造作に両足を投げ出していた私は、目の前の空間をしばしぼんやりと眺めたあと、ポツリと呟いた。


でたらめ体操がストレス発散になったのか、時間が経つにつれてだんだんと冷静になって来た。


どうせ土曜日まで答えは出ないんだし。


一人で悶々と思い悩んでいたって、時間の無駄というものだ。


それより何より、明日は早番なんだから。


やるべき事をさっさと終わらせて、早めにベッドに入らなくちゃ。


私はそう結論付けると、その決心が鈍らないうちに勢い良く立ち上がった。


ホント、自分自身に論理的に、筋道立てて言い聞かせないと、いつまでもグズグズと同じ事で悩み続けちゃうんだよね、私って。


もっとおおらかな性格になりたかったよ。


私はため息を吐きながら、入浴の準備をすべく、お風呂場へと向かった。
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