スイートホーム
『ウソ！あの子、マジ最悪！！』


『今度こそ彩希も彼女とは絶交だね！絶対許しちゃダメだよ！』


等々、みんな梨華に対して非難ごうごうだった。


皆のそのメールを読んで、声を聞いて、す～っと溜飲が下がった私であった。


と同時に、そんな卑しい感情を抱いてしまう自分が超絶に情けなく、もう何度目になるか分からない自己嫌悪に陥ってしまったりもして。


それはさておきそんな中、特に憤慨し、私を慰めてくれたのが加奈だった。


忙しい合間をぬって、わざわざ電話をかけて来てくれたのだ。


『ホント信じられない！あんな子と一時でも友達だったなんてすごく恥ずかしいよ！』


高校時代の友人の中では一番乗りで結婚した彼女。


他人と婚姻関係を結ぶという事の責任とその重大さは、独身の私達とは比べ物にならないくらい身に染みて分かっているだろうし、プレッシャーも日々感じていることだろう。


そういった立場から、ゴール間近であったカップルの中を引き裂くという梨華の所業は、断じて許せない行為だったようだ。


『柳田さんも柳田さんよ。ホントだらしがない！百歩譲って心変わりまでは仕方がないとして、彩希ときちんと別れてから別の女性とそういう関係になりなさいっていうのよ！』


最後の頃は、感情が高まり過ぎて涙声で言葉を発する加奈を、反対に私が落ち着かせながら会話していた。
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