スイートホーム
待ち合わせの喫茶店までたどり着き、店員さんの「いらっしゃいませ」という声を聞きながら店内へと足を踏み入れた瞬間、ふいに記憶が甦った。
……そういえば、梨華に衝撃の告白をされ、優さんに別れを告げた日も、ここに来て麻美に慰めてもらったんだっけ。
「あ、彩希!こっちこっち!」
すでに二人は到着していたようだ。
入口から真っ直ぐ伸びた通路の、最奧のテーブルから、麻美が陽気に声を上げつつ手を振っている。
加奈もその隣でニコニコしながらこちらに視線を向けていた。
一瞬だけ店員さんやお客さんから注目を浴びてしまって焦ったけれど、すぐに皆それぞれの世界に戻って行ったのでホッと胸を撫で下ろした。
まぁ、待ち合わせスポットの上位にランクインするであろう喫茶店ではよく見る光景だろうし、そんなに気にする必要はないよね。
私はそう自分を納得させながら、二人の元へと近付き、仲良く並んで腰掛けている彼女達の対面の椅子を引きつつ問いかけた。
「ごめん。待った?」
「ううん。私らも、つい数分前に来たとこだから」
「ていうか、待ち合わせ時間までまだ10分以上あるじゃん。私達が早すぎたんだよ。彩希が謝る必要ないから」
加奈のそのフォローの言葉を耳にしながら椅子に腰を落とした所で、ちょうど店員さんが私達のテーブルへとやって来た。
……そういえば、梨華に衝撃の告白をされ、優さんに別れを告げた日も、ここに来て麻美に慰めてもらったんだっけ。
「あ、彩希!こっちこっち!」
すでに二人は到着していたようだ。
入口から真っ直ぐ伸びた通路の、最奧のテーブルから、麻美が陽気に声を上げつつ手を振っている。
加奈もその隣でニコニコしながらこちらに視線を向けていた。
一瞬だけ店員さんやお客さんから注目を浴びてしまって焦ったけれど、すぐに皆それぞれの世界に戻って行ったのでホッと胸を撫で下ろした。
まぁ、待ち合わせスポットの上位にランクインするであろう喫茶店ではよく見る光景だろうし、そんなに気にする必要はないよね。
私はそう自分を納得させながら、二人の元へと近付き、仲良く並んで腰掛けている彼女達の対面の椅子を引きつつ問いかけた。
「ごめん。待った?」
「ううん。私らも、つい数分前に来たとこだから」
「ていうか、待ち合わせ時間までまだ10分以上あるじゃん。私達が早すぎたんだよ。彩希が謝る必要ないから」
加奈のそのフォローの言葉を耳にしながら椅子に腰を落とした所で、ちょうど店員さんが私達のテーブルへとやって来た。