スイートホーム
エントランスに差し掛かる前の通路で、自動ドアのガラス越しに彼の姿を確認した。
一目見た瞬間、愕然とする。
あらかじめ正体を知っていて目にしたから認識できたけれど、人混みの中偶然、遭遇していたとしたら、気付かずにすれ違っていたかもしれない。
数ヶ月ぶりに再会した彼の風貌は、驚く程様変わりしていた。
「あ、彩希…」
そして私に向けて発せられたそのあまりにも覇気の無い、弱々しい声音にもギョッとさせられる。
一応、外出するにあたって体裁は整えておこうと思ったのか、グレーのスーツ姿ではあったけれど、ノーネクタイで上下ともシワが寄りまくり。
無精髭を生やし、いつもきっちりとセットされていた髪はボサボサだった。
そしてそれよりも何よりも、どんよりと暗く陰った目元が明らかに異様な雰囲気を放っている。
「久しぶりだなぁ…」
言いながら、優さんは一歩こちらに歩み寄ったけれど、私は思わずその距離分後退りしてしまった。
「そ、外に行こうか」
私の動作に眉を潜め、ますます陰気な表情になった優さんに慌てて言葉を繰り出す。
「わざわざ来てくれたって事は、何か話があるんでしょ?私も言っておきたい事があるから」
「…分かった」
「上着取って来るから、ちょっと待っててね」
そう言い残し、私は足早に自室へと引き返した。
「彩希ちゃん!」
一目見た瞬間、愕然とする。
あらかじめ正体を知っていて目にしたから認識できたけれど、人混みの中偶然、遭遇していたとしたら、気付かずにすれ違っていたかもしれない。
数ヶ月ぶりに再会した彼の風貌は、驚く程様変わりしていた。
「あ、彩希…」
そして私に向けて発せられたそのあまりにも覇気の無い、弱々しい声音にもギョッとさせられる。
一応、外出するにあたって体裁は整えておこうと思ったのか、グレーのスーツ姿ではあったけれど、ノーネクタイで上下ともシワが寄りまくり。
無精髭を生やし、いつもきっちりとセットされていた髪はボサボサだった。
そしてそれよりも何よりも、どんよりと暗く陰った目元が明らかに異様な雰囲気を放っている。
「久しぶりだなぁ…」
言いながら、優さんは一歩こちらに歩み寄ったけれど、私は思わずその距離分後退りしてしまった。
「そ、外に行こうか」
私の動作に眉を潜め、ますます陰気な表情になった優さんに慌てて言葉を繰り出す。
「わざわざ来てくれたって事は、何か話があるんでしょ?私も言っておきたい事があるから」
「…分かった」
「上着取って来るから、ちょっと待っててね」
そう言い残し、私は足早に自室へと引き返した。
「彩希ちゃん!」