スイートホーム
さっき干した洗濯物は夕方には乾くだろう。


取り込んだあと、必要な物にはアイロンをかけて…。


言わずもがなで、小太刀さんからお借りしたハンカチにも。


なるべく早い方が良いし、小太刀さんも今日は非番みたいだから、終わり次第部屋まで届けに行っちゃおうかな。


とてもじゃないけど食堂なんかで、周りに人がいる状態でやり取りする勇気はない。


もしかしたら外出しちゃってるかもしれないけど、その場合はまた後日改めてって事で。


そこでハタと気が付いた。


小太刀さんの部屋を訪問する…。


つまり、彼と二人きりになれる、告白できる、絶好のシチュエーションって事じゃないの。


まさかこんなタイミングであれだけ望んでいたチャンスに恵まれるなんて。


いやいや。


でも、なんだか、唐突過ぎない?


午前中にああいうトラブルがあって、その数時間後に「あなたが好きです!」なんてねぇ…。


私がここ最近小太刀さんを思い、一人で勝手に悶々と過ごして来ただなんて事はあちらは知る由もないんだし。


雛鳥の刷り込みじゃないけど『窮地を救ったから突然好意を持たれてなつかれた』なんて思われてしまう可能性もなきにしもあらず。


かといってこのチャンスをみすみす棒に振るってのもためらわれるし……。


何て事を考えている間に目的地であるスーパーにたどり着いてしまった。
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