スイートホーム
「俺と小太刀はかれこれ20年以上の付き合いになるんだけどさ」
「えっ。そうなんですか?」
てっきり社会人になってから知り合い交流を深めたと思っていたので、二人の歴史の長さに驚いた。
「実家がご近所なんですか?」
「いや。同じ市内ではあるけど、距離は結構離れてるんだよ。だから学区も別だった。ただ、通ってた剣道場が同じだったから」
「剣道…?」
「うん。俺は小学校低学年の頃に通い出したんだけど、その数年後、やっぱり同じくらいの年齢で小太刀もその道場に入って来たんだ」
そこでふと思い出した。
そういえば、ここで働き出してすぐの頃文子さんに聞いたけど、4号業務に就いている人は皆何かしらの武道の経験者なんだよね。
しかも段持ち。
加賀屋さんと小太刀さんは共に剣道の有段者だったんだ。
「歴史と伝統のある、名門の道場だからさ。その界隈に住む、剣の道を志す者は必然的にそこに集まることになるんだよ」
「なるほど…」
「だから小太刀のお姉さん…。美鈴さんとも、自然の流れで交流を持つようになった」
『お姉さん』という重要なキーワードに、胸の鼓動がはね上がる。
「小太刀とは7歳年が離れてて、親父さんやお袋さんの代わりに送り迎えとか、試合の時の付き添いをしたりしてたから。すごく優しくて、綺麗な人だったな…」
「えっ。そうなんですか?」
てっきり社会人になってから知り合い交流を深めたと思っていたので、二人の歴史の長さに驚いた。
「実家がご近所なんですか?」
「いや。同じ市内ではあるけど、距離は結構離れてるんだよ。だから学区も別だった。ただ、通ってた剣道場が同じだったから」
「剣道…?」
「うん。俺は小学校低学年の頃に通い出したんだけど、その数年後、やっぱり同じくらいの年齢で小太刀もその道場に入って来たんだ」
そこでふと思い出した。
そういえば、ここで働き出してすぐの頃文子さんに聞いたけど、4号業務に就いている人は皆何かしらの武道の経験者なんだよね。
しかも段持ち。
加賀屋さんと小太刀さんは共に剣道の有段者だったんだ。
「歴史と伝統のある、名門の道場だからさ。その界隈に住む、剣の道を志す者は必然的にそこに集まることになるんだよ」
「なるほど…」
「だから小太刀のお姉さん…。美鈴さんとも、自然の流れで交流を持つようになった」
『お姉さん』という重要なキーワードに、胸の鼓動がはね上がる。
「小太刀とは7歳年が離れてて、親父さんやお袋さんの代わりに送り迎えとか、試合の時の付き添いをしたりしてたから。すごく優しくて、綺麗な人だったな…」