スイートホーム
「なだめすかして諦めさせて、何とか追い返しましたよ」


『……そうだったんだ…』


しばし無言になった後、畑山さんはしみじみとした口調で会話を再開させた。


『いや~、しかし、色々あったんだね、守家さん。ホント、お疲れ様』


「ありがとうございます」


『ちなみになんだけど、彼、どんな風に愚痴ってたの?』


「えっと…。私との破局がバレて以降、社食の皆さんに、とても冷たい態度を取られたとか…」


『あ~、やっぱりねー!』


畑山さんは憤慨したように声を上げた。


『それ、大いなる誤解だから。きっとあれこれ自分の都合の良いように話してたと思うんだけど、守家さんに誤解されたままじゃ嫌だから、今、ここで弁明させてもらっても良い?』


「あ、はい…」


『まず、私達の方から柳田さんに何か仕掛けたって事は絶対にないからね。まぁ、確かに最初田中さんから真相を聞いた時に『はぁ~?何それ~?』と思ったのは事実だけども』


「あ、やっぱり田中さんから情報提供されてたんですね…」


『でも、それは当人同士の問題だし、私達が口を挟む筋合いないわよね、っていう事で、話は落ち着いたのよ。だけど、当の柳田さんがさぁ…』


「何かやらかしたんですか?」


『次の日、見るからにビクビクオドオドしながら社食に入って来てさ。その時田中さんが対応したんだけど、視線も合わせず彼女からトレイを奪い取ったのよ』
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