スイートホーム
「図々しくすみません。でも、他に相談できるような方が思い浮かばなくて…」


「具体的には、どのような内容でしょうか?」


「あ、ここではちょっと…。できれば、小太刀さんのお部屋で二人でお話を…」
「いえ。それはお断りいたします」


梨華にみなまで言わせず、小太刀さんはきっぱりとその申し出を拒んだ。


「親しい間柄ではない女性と密室で二人きりになるのは避けています。話が長くなるようでしたら、ひとまずこの場で、概要だけでもお聞かせ願えますでしょうか?」


そこで小太刀さんは管理人室に目を向けると、旦那さんに声をかけた。


「田所さんすみません。そういう訳ですので」


「はいよ。俺は奥に行ってるから」


そう言いつつ立ち上がり、旦那さんは小窓前から素早く姿を消した。


「え?あ、あの、でも…」


梨華にしては珍しく、素で戸惑っているようだ。


普段の自分のノウハウが通用せず、ペースを乱されてしまったのだろう。


「守家さんはもちろん、そちらにいらっしゃる男性も、あなたとは親しいご関係なんですよね?」


私達からは少し離れた位置に、ポカンとした表情で立ち尽くす志希にチラリと視線を配ってから、小太刀さんは続けた。


「一度お会いしただけの私に相談できるくらいなんですから、二人が聞いていても差し支えはない筈です。むしろ、その方が早乙女さんも心強いのではないですか?」
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