スイートホーム
「そんなのは別にどうでも良いんだけど…」


「いやいや、良くねぇだろ!何で姉ちゃん、そんな大事な事を黙ってたんだよ!」


「と、とにかく」


私の言葉に被せ気味に志希が声を張り上げたけれど、それを強引に抑え込むようにして、再び梨華に問いかけた。


「優さんがストーカーなんて本当なの?」


梨華と離れられた事に、心から安堵していたようだったのに、今さら未練がましくつきまといを始めるなんて信じられないんだけど。


「それに関して、実は私も断定はできないのよね…」


すると梨華は右手を頬に添え、思案顔で返答した。


「ああいった行為が本当にストーカーと判断できるのかしら?って迷ってしまって。だからいきなり警察じゃなく、まずは警備会社の社員である小太刀さんの意見をお聞きしたかったのよ」


「…一体、どんな事をされてるっていうの?」


「あ、具体的な内容についてはやっぱりこの場では言いたくないわ。うかつに話を広げてしまったら、優さんの名誉に関わるし」


その言葉で私は梨華の相談事は『嘘だ!』と確信した。


別に相手は優さんじゃなくても良かったんだろう。


私が突っ込みを入れたから成り行きでそうなっただけで、梨華は本当は架空の人物をストーカーに仕立てあげるつもりだったに違いない。


あくまでも、小太刀さんとの接点を持ちたかっただけなんだ。
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