スイートホーム
そしてもし、相談を受けた小太刀さんが何かしら行動に移しそうになった時には『やっぱり私の勘違いでした』もしくは『相手が分かってくれたからもう大丈夫です』とでも言って誤魔化せば良いんだもの。


そう言われてしまったら、小太刀さんはそれ以上深く踏み込めないだろう。


だけど、ひとまず二人は繋がる事ができた。


そしてなんやかんや理由をつけてその後も関係を続けて行くのなんて、梨華にとっては朝飯前の筈。


これが、彼女の手だったんだな。


高校生時代、もしくはそれ以前から繰り返し使って来たのであろう恋愛テクニック。


とっても簡単で単純で何の捻りもない作戦だけれど、だからといって万人が真似できるかといったらそうではない。


まず最初のとっかかりで脱落する人も数多くいると思う。


梨華のようなビジュアル、外面の良さだからこそ、相手の男性がついフラフラと引き寄せられて、気付いた時には術中に嵌まってしまっているのだろう。


そして特筆すべきは、それが本気の思いから来る行動ではないということ。


ただただ誰かから誰かを奪うのだけが快感で、それだけが最大の目的で、無事に達成できたら彼女の中ではミッションは終了である。


といっても、お情けなのかとりあえず恋人がいた方が格好がつくからなのか、すぐに捨てたりはせずに、次のターゲットが見つかるまで、数ヶ月から一年くらいはキープしているようだけれど。
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