スイートホーム
だけどその手はもう使えないので、今度は転職を理由に家を出る事にしよう。


もう、ただ精神が疲弊するだけの、不毛な対話しかできないお母さんとの関係性は終わりにするんだ。


私はそう決心し、まずはその第一段階としてこの会社の求人に応募すべく、再び画面に集中した。


希望者はまず、電話、もしくはメールで連絡するように書いてあった。


当然の事ながら、まもなく日付が変わろうとしているこの時間帯に電話をかけても相手には繋がらないし、メールなら24時間いつでも受け付けてもらえるので、迷わずそちらを選択した。


必要事項を入力し、誤字脱字チェックをしてから送信。


トップページに戻り、画面を閉じようとした所でふと思い立ち、テーブルの端に置いておいたケータイを手に取った。


「え~っと、03の…」


画面に記されている電話番号を読み上げながらケータイの電話帳に入力。


今後の事を考え、人事担当部署の直通であるこの番号を登録しておいた方が良いだろうと判断した。


「……よし。とりあえず、今の段階でできるのはここまでだよね」


あとはあちらからのコンタクトを待つばかり。


さて、今日はもういい加減寝よう。


私は一仕事終えたような満足感に浸りながら、ネットを遮断し、パソコンの電源を切ると、ベッドへと潜り込むべく立ち上がった。
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