スイートホーム
「さようですか。守家さんの経歴でしたら、こちらも安心してお仕事お任せできそうです」


「ありがとうございます」


渡辺さんは満足そうな笑みを浮かべながら頷くと、続けた。


「それでは最後に、守家さんの方から何かご質問はございますか?」


「あ、通いが困難な場合は住み込みで、という事なのですが…」


この段階で聞くべきなのかどうか一瞬迷ったけど、私としては大いに関心がある事柄なので、思いきって質問した。


「その件についてお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「ええ、どうぞ」


「警備会社さんの独身寮という事は、入居者は男性の方が大多数だと思うのですが、そこに女性の私が入るのは問題ないのでしょうか?」


「ええ。寮の部屋は完全個室ですし、フロアも別になりますから」


渡辺さんは一瞬何かを思案した後、解説を再開した。


「要するに、通常のマンションに住むのと同じ感覚ですね。内部の細かい間取りまでは現段階ではお教えできませんが、もし守家さんに住み込みでお仕事していただく事になった場合は、管理人夫妻と同じ1階にある部屋が割り当てられます。それ以外の入居者の部屋は2階より上になりますので、食事時以外の接点を無理矢理作る必要はないとお考え下さい」


「あ、管理人さんも住み込みで働いていらっしゃるんですね」
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