憎悪と、懺悔と、恋慕。
 

 ---------何も起こらなかった。

 たわいもない話をして、あっさり家に到着。

 「今日はありがとう、早川さん。 クソ親父のプレゼントまで用意してくれて。 あと、これも。 めっさ暖かい」

 そう言って、木崎センパイがネックウォーマーに頬擦りをした。

 なんて可愛い仕草してくれるだ、木崎センパイ。

 ・・・ワタシ、木崎センパイのネックウォマーになりたいわ。 などと言う、腐女子的思考になる。

 まぁ、充分腐女子ですが。 そろそろ発酵しそうですし。

 「こちらこそ、ありがとうございました。 すっごく楽しかったです」

 ペコっと頭を下げた後、木崎センパイの顔を見ると、
 
 「・・・・・・」

 木崎センパイが、思い詰めた表情でワタシを見つめた。
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