憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 「じゃあ、話します。 莉子の親、離婚したんですよ。 お母さん出て行っちゃったから、莉子が家の事してるんですよ」

 「・・・え」

 島田さんの言葉に固まる。

 早川さん、何かあったら必ず言ってって言ったじゃん。

 「でも、バイトしないと携帯止まるって・・・」

 「木崎センパイのお父さんが、慰謝料と言う名の口止め料を持って莉子の家に来たそうです。 だから、『バイトしなくて大丈夫』って言ってました。 木崎センパイのお父さん、莉子の家は壊しといて、自分は離婚する気ないらしいですよ」

 「・・・・・・」

 島田さんの口から飛び出る、予想もしていなかった言葉に絶句する。
< 197 / 280 >

この作品をシェア

pagetop