憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 「・・・あの。 ・・・父が、本当に申し訳ありませんでした」

 そんな早川さんのお父さんに頭を下げて謝る。

 「キミはやっぱり・・・そうだったのか」

 『頭を上げてくれないか』と、早川さんのお父さんがオレの肩を叩いた。

 「キミが悪いワケじゃない。 ・・・わざわざそれを言いに??」

 早川さんのお父さんは、少しだけ顔を上げたオレを『まぁ、座って』とソファーへ促した。

 言われるがままソファーに腰を掛け、小さく息を吸い込む。

 早川さんが心配そうな顔をしながら、緊張気味のオレの隣に座った。

 早川さんのお父さんに謝りたかったのは本当。

 だけど、オレには言いたい事がもう1つある。

 嫌がられる事は分かっている。

 許しをもらえない可能性の方が大きいのかもしれない。

 でも、それでもオレは、早川さんが好きだから。

 「・・・僕と莉子さんがお付き合いする事を、許して頂けませんか??」
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