憎悪と、懺悔と、恋慕。
 
 「・・・梓ちゃーん」

 やっぱり1人で行くのは怖い。

 今度は梓ちゃんに縋る。

 「え?? 何??」

 事情を知るはずもない梓ちゃんが、困った様に沙希に視線を送った。

 「この鼻くそが!! 何も知らない梓を巻き込むな!! さっさと行け!! アホが!!」

 沙希が丸めたノートで『パシーン』といい音を立て、ワタシの頭を叩いた。

 「・・・行きますよ、ちゃんと行きますよ」

 叩かなくてもいいじゃんよ。

 頭を擦りながら、意を決して木崎センパイの元へ。
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