ヤマアラシと白ウサギ
子ウサギは鼻をひくひくさせてこちらを伺った。

幼いながらも警戒心が強い。

僕はお腹をちらりと覗かせて、敵じゃないよと笑ってみせた。

張り詰めていた耳がへにょりと倒れ、子ウサギは息をついた。

そして、僕をじっと見上げ首を傾げた。

どうやらありがとうと言ってるみたいだ。

御礼を言われて僕は戸惑う。

だって、ただの偶然だしね。


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