ツンデレくんを呼んでみた。
寝ようと思ったけど、しばらくしても寝つけそうになかった。目が冴えている。


たぶん酒とあの出来事のせいだ。


「中出、もう寝た?」


背中越しの中出から返事はなかった。


別に慰めて欲しいわけじゃなかった。あたしは被害者だけど、全く悪くないわけじゃない。だからあたしだけが辛いなんてのは間違っている。


だから、中出の態度は正直ありがたかった。普段通りでむしろ安心した。


それでも、とあたしは思ってしまう。


それでも、泣きたいくらい辛い。


妙に寂しく感じた。


「……なんで中出はあたしと付き合ってんだろ」


ずっと腹に抱えていたことをようやく口にした。


当の本人は寝ているから聞こえるはずはない。それを知っていて口にした。


本音を伝えることすらできない、あたしは臆病者だ。


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