ツンデレくんを呼んでみた。
そして、今までお互い躊躇ってとどまっていた、最後の一線。


「いい?」


今までで一番快楽でいっぱいになったあたしの顔を覗き込んだ中出は、今までで一番可愛いと思った。


不安そうで、それでいてあたしを求めていて。


「……ん」


こくこくと頷くと、あたし達はようやく繋がった。


「…………痛い?」


痛いんだか苦しいんだかわからない感覚でいっぱいになりながらも、あたしは必死に首を横に振った。


声が出せないほど苦しくて、息が詰まっているのになぜかずっとこのままがいいと思った。


中出が何か呟いた気もするけど、わからない。


あたしは半分無意識に中出に手を伸ばした。


「ちゅー……して」

「……ん」


お互い貪るようにキスをした。


求め合って、ようやく重なった。


すべてが終わって、中出があたしに覆いかぶさって「……ごめん」と呟いた。


謝らなければならないのはあたしの方だ。


そう言いたかったのに声が出なくて、自分のものじゃないような感覚に陥りながら腕を上げて中出の体を抱きしめた。


あたしこそ、こんなに無理をさせてごめんね。


「…………好き」

「知ってる」


二人の鼓動が重なった。


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