ツンデレくんを呼んでみた。
目が覚めた時、中出は隣でまだ寝ていた。


あたしが先に起きるなんて珍しい。ほとんどの場合、中出が先に起きていつのまにかいなくなっているのだ。


中出は裸だった。そう言うあたしも裸だ。


昨日のことを思い出して、くすぐったい気持ちになる。


とうとうやってしまったのか。


ずっと望んでいたことなのに、いざ現実になると本当にしたのだろうかと疑問になる。


それほど、あたし達の日常とは程遠いところにある。


眠くて怠い。


間違ったことをしていないはずなのに、正しいことだとも思えない。


中出はどう思っているのだろうか。


下半身が痛いような、感覚がないような、ふわふわしているような、不思議な気分だった。


再び布団に潜るといつのまにか寝てしまって、次に目を覚ましたのは昼近くだった。


既に中出はいなかった。


ふとスマホを手にするとLINEが一件入っていた。


中出からだった。


『お大事に』


たった一文なのに、あたしは顔を真っ赤にして枕に顔を埋めた。


あんたがやったくせに。


「あのくそガキ……」


昨日散々与えられた熱はあたしの中でまだ燻っていた。


< 86 / 104 >

この作品をシェア

pagetop