甘い心はあなた一色
不思議そうにあたしを見るから、慌ててそらす。
かっこよすぎて、みとれていただけです。
……なんて、片思いの相手にもちろん言えるわけがなく。
あたしは赤くなった顔をごまかすのに精一杯です。
「そうですか?楠先輩も急がないと遅刻しますよ」
「あ、う、うん!」
時計を見ると、もう本格的にヤバい時間。
もっとこうしていたいけど、今はだめだ……。
「じ、じゃあまたね織くん!」
「――また」