甘い心はあなた一色
「じゃ、自転車漕げ」
「は、はいもちろん」
不機嫌な顔の彼方の言葉に、あたしは言葉を被せる。
どこまででも、地の果てまででも漕がせていただきます!
「じゃあ急げ。あと10分だから」
「えっ!?」
時計を見ると、間に合うかどうかギリギリの時間。
「早くしろよ?間に合わなかったらただじゃおかねぇ」
「え゛ぇっ……」
「じゃ、下行ってるから」
「う゛、うん」
じゃあ急がなきゃ!
彼方が階段を降りる音を確認してから、パジャマを脱ぐ。