甘い心はあなた一色
……え。なにその猫かぶり。
あたしの前とじゃ、えらーい態度が違わない?
「そうかしら?こんなんじゃ、お嫁にもいけないわね」
「ちょ……っ、お母さん!!」
そういう話は止めてよ!
恥ずかしいからっ!!
っていうかあたしにだって好きな人くらい……じゃなかった。
「か、彼方早く行こう!」
お母さんからお弁当を受け取って、今度はあたしが彼方をせかす。
「おー。じゃ、おばさんおじさんまた」
「またな、彼方くん」
「いつもありがとね」
自分の子どものように、お母さんとお父さんは彼方を見送る。