kuro


気を紛らわしたくてマグカップを
手に取ったけど、
ココアじゃなくて
コーヒーにしたから
苦くて飲めない。




佐藤くんがしているのは
コーヒーCMだ。


僕には飲めない、
無糖のコーヒー。



悔しい。




23歳の癖に、
コーヒーの一つも飲めない癖に
こんな大人げないこと思うの、
おかしいってわかってるよ。


でも。



光のバカ。



「佐藤くん、好き?」


「え、うん、結構すき、かな。」


光の、ばか。


「僕より?」


「はい?」


「僕より好きなの?」


言ってしまった。


「そんなわけ、無いじゃない。」


画面からこちらに視線を
戻して光はバカにもせずに答えてくれた。



僕は....なにやってるんだろ。



情けなくなって
そっかと
小さくそっけなく返した。









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