アナタガスキ

「んっ……」

チョコレートがなくなると、彼は名残り惜しそうに唇を離した。

「なに?」

また口の端が上がってる。

「これでりかちゃん味のチョコもらった事に
 なるよな?」

「……バカ」

甘いの苦手なくせに。

「うっ。あっまー」

案の定、渋い顔をしてまたタバコに火をつけようとしている。

嬉しい気持ちを隠すように立ち上がった。

「コーヒーいれるから」

キッチンへ行き、やかんを火にかけてから
唇に手を当てた。

口の中はいつもの少し苦いタバコの味に
甘いチョコのフレイバーが広がっている。

『甘さと苦さ』まるで頭と心が別々のものになっている自分のような気がした。


ネェ、コレカラドウナルノ?

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