あたしと寮と狼先輩。






『そ、そんなに溜息ついてた…?』
「…少なくとも俺の集中力が切れるくらいはついてたよ」



圭が授業に集中………?
ないないないない。

なんて思ったけど、それは言わないことにしよう。

でも圭が気にするくらい、あたし溜息ついてたんだなあ…

申し訳ないことをしちゃった…





『ごめん………』



「すげえ怖い顔したと思えば突然寂しそうな顔するし…なんかあったか?」



声の低さは変わらないけど、あたしを心配してくれてることはすごくわかる。

こういう時、圭は少し眉毛が下がるんだ。

ほんと、わんこみたい。






『心配してくれてる?』


その優しさがなんだか嬉しくて、圭の質問に質問で返してしまった。






「…馬鹿かお前は」
『なんで突然馬鹿が出てくるの?!』



「あーくそ………

心配しちゃ悪りいかよ」



あたしのツッコミはスルーされたけど、照れ臭そうに言った圭。

耳が赤くなってるのがわかる。





『へへ…ありがとう、圭』










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