あたしと寮と狼先輩。
子兎ちゃんの憂鬱






ザーーー……
ザーーー……



今日はあいにくの雨だ。



『せっかくの土曜日なのになあ』





今日は響とお出かけしようって話していたのに。
雨だからってことで中止になってしまった。

まだお昼だというのに空はグレーがかった色をしていていつもより部屋が暗い。



んー…
お腹空いたし、食堂でも行こうかな。





部屋の外に出ると、お向かいさんの桐原先輩も同じタイミングでドアを開けた。


あ…私服姿だ。

もう何回も見てるけど、相変わらずスタイルいいし格好良いなあ。




「おい、何見てんだよチビ」



先輩の第一声はそれだった。

チ、チビ………!
確かに小さい方かも…知れないけどさ、そんなストレートに言わなくてもいいんじゃないかなあって。ねえ。




『あ、えと、おはようです…』


桐原先輩はまだ打ち解けられてないというか、うまく話せない。

何故だか緊張してしまうのだ。











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