天使の贈り物

*



ある日、
晴貴からの電話が着信を告げる。



バイトに向かいながら、
電話に出ると、
晴貴からすぐに成実へと電話相手が代わった。





「もしもし、奏介？
　成実です。

　えっと、美空先輩に奏介の連絡先教えていいですか？
　ってか、私も奏介の連絡先、晴貴に貰っていい？

　なんか晴貴を通してじゃないと、奏介に連絡出来ないも嫌だし」




美空が俺の連絡先を？



そう言えば……
まだ連絡先すら伝えられなかったんだっけ？



「あぁ、別に構わないよ。

　美空さんとも連絡先、
　交換出来たらって思ってたから」

「了解。

　んじゃ、晴貴から私が連絡貰って
　それから美空先輩に連絡すら。

　そしたら、美空先輩から連絡して貰うね。
　じゃ、晴貴に変わるから」



そう言うと、
成実はすぐに電話を持ち主へと手渡した。