空色バルコニー
2

毎朝8時30分になると、彼女はカーテンを開けた。
僕はそのたびにドギマギした。
なるべく彼女を見ないようにした。
でもちらっと、横目で見る。僕は感電しているのだ。心臓はあきらかにオーバーロードしている。

僕は終日放心状態だった。ぽかんとし、ラブソングを聞いた。
仁士のいうとおりだ。
これが恋というやつなのか。熱病にうなされているようだ。

「なんか、変。この気持ちをどう落ち着かせたらいいんだ」


僕はそうつぶやいた。

毎朝、僕は早く起きて彼女がカーテンを開けるのを待った。
彼女はカーテンを開けると、さっと姿を消したが、時には窓際に置かれたテーブルに向き合っていることもあった。

彼女のことは何もしらない。
どうしたら近づけるんだろう……。
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