悪魔ニ花束ヲ
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「はぁ、やっぱり美味しいです」

フゥと息をはきながらわたしは久城さんが煎れてくれたモカを飲む。フラグは立たなかった。


「さんきゅ」

甘さを含んだ垂れた瞳が柔らかに曲がる。うう、美形は眩しい。

「なに、顔赤くしちゃってんの?いっとくけど、久城さんは誰にでもこんな感じだからね?」


横から灰原千景が言うけど、眉を潜めたその綺麗な顔が不機嫌そうで首を傾げる。今の発言で不機嫌になっていいのはわたしの筈だ。

「千景、おまえな」

ニコニコ笑いながら久城さんは灰原の頭をおたまでパシンと小気味良くしばいた。結構な音がした。

え、見間違い?


何故、オタマ?どこから出したの?というよりその荒業をこの悪魔に!あなたは最早勇者です!




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