悪魔ニ花束ヲ


「すごいよ。千景があんなに焦っているのは初めてみた、かな」


久城さんの言葉に首を捻る。あれは焦っているのか?どうみても不機嫌なだけにしか見えない。

「それに、君の前では千景は自然なんだね」


優しく笑った久城さんの目には安堵が含まれているように見えて、けれど何か探る様な違和感が走った。何故かは分からなくて、わたしは一瞬とまってしまう。

そういえば久城さんの前でも灰原千景は王子の仮面を被っていない事に気付く。



「だけど、恋するのはオススメしないな」



その言葉に頭に抱えていた幾つかの疑問文は一気に弾け飛んだけれど。


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