毒龍
でもそんな言葉を発した相手はとても悲しい瞳をしていた

「大丈夫か?」

ソファーの隣にフードを被った少女が座り俺の背中をさする

大きいけど小さく、そして儚げなその手はとても温かかった

でも微かに震えてる気がした

「そろそろ行くか
行ける?」

立ち上がってそう言った紅狼に俺は静かに頷いた

「あ、そうだこれあげる」

パーカーのポケットから出したのは金のカラコンだった

「あげとく
目、大変だったでしょ」

何もかも見透かしたような青く澄んだ瞳で俺を見る


< 29 / 34 >

この作品をシェア

pagetop