毒舌彼氏と最悪彼女
次の日。
『彩翔、それ恋だよ!』
そういう彼女はクラスタの中で姉さん的存在のユーザー、アカウント名は”星羅(せら)”。
想太さんと繋がる前から彼女とは相互関係にあった。
とても優しく、強くたくましい女性で、私より二個上のお姉さまだ。
最近は、彼女に想太さんとのことをチャットで相談している。
なぜなら、星羅は想太さんとはもう二年以上繋がっているらしい。
お互い姉弟のように仲がよく、星羅は想太さんのことならなんでも知っていた。
私も、本当のお姉さんのように慕っていて、彼女も私のことを妹のように可愛がってくれていた。
「恋…かぁ」
考えてみれば翔と雄二のことからいろいろあってもう一年もドキドキがない。
好きな人は、そりゃできたけど、…あのときのような新鮮な感覚は一度も無かった。
…けど、想太さんと出会って、あのときにはなった…そう、胸が締め付けられるような痛み。これが本物の恋、なのかな。
じゃぁ今までの私はなんだったんだろう。…考えさせられる。
『姉さんは今、誰かに恋してるの(๑´╹‸╹`๑)?』
『へへへ~///彩翔も知ってる人に恋してるよ///』
『え!?わしのフォロワーさんにいるのか!!!』
『それは秘密じゃ~~☜( 'o')☞まぁ彩翔、好きなら誰かに盗られる前に想太に告白したほうがいいよ!あいつ、自覚ないけど結構な人気だからさ!』
やっぱりかぁ…。あんなたくさんフォロワーいたら一人や二人くらい居るだろうなぁ…
『だよなぁ…。あああああああ告白なんて緊張して死ぬわ_(┐「﹃゚。)_』
『死ぬなwwwとにかく、私が思うにナターシャはその気あると思う。…あの子とナターシャ愛棒関係にさせたの、彩翔でしょ?ずっと想太のことかわいいかわいいって言ってるし、なんかその気あるんじゃって思うよ』
ナターシャ…私のフォロワーさんの一人だ。彼女とは想太さんと繋がる三ヶ月前くらいにハッシュタグで繋がった人だ。
最近になってナターシャが想太さんのことをかわいいかわいいと呟くのを結構見ていて、チャットでも想太さんかわいいよね…といつも話しかけてきていた。
見るたびにズキズキする。
『まぁ…悪い子じゃないし、想太さんと仲いいだけだから別に大丈夫でしょ?』
『わからないよ?もしかしたら想太のこと好きなのかもよ?』
『そうなんかなぁ…そうは思えんけどなぁ。』
『まぁとりあえず、私が本人に直接聞いてみようか』
『お、オナシャス』
ナターシャはそんなようには見えないからなぁ…
けど、そうだったとしたらやっぱり早く告白しなきゃいけないんだよな。
盗られるとかそういうの考えなくていいから、気持ちを伝えなきゃいけないんだ。