毒舌彼氏と最悪彼女


「はぁ~…」

次の日の朝。今日も九時から出勤だ。

大きくため息をし、重たい体を起こしてベッドから降りる。
朝は必ず携帯を見る。通知がなにか来ていないか確認するためだ。

「あ…ッ」

一件のフォロー通知がきていた。
しかも見たことのあるアカウント名…


”@●●からフォローされました”

「あああああああああああああああああッッッッ」

大きな声で叫んだ。
心拍数がどんどん上がっていく。

…なんだ、この感情は。

急いでそのページを開くと、想太さんから挨拶がきていた。

”初めまして!昨日彩翔さんの生放送でお世話になった想太です( ー̀ωー́ )!昨日の生放送すごく楽しかったです!フォローさせていただきました♪どうぞ宜しくお願いします(´,,•ω•,,`)”

「あああああああああああああああああッッッッ(本日二度目)」

携帯を持ちながら思いっきりブリッジしそうだった。
今にも携帯を投げ飛ばして携帯に向かってかわゆすッッッて叫びそうだった。
それくらい興奮した。

すぐにフォローを返し、返事を返そうとした。
が、

「手っ…手が…手が…震えて…かけない…ッッッ」

これは重大な問題である。
なんせ、あの有名な想太さんに挨拶つきでフォローされ、しかも前日の生放送を”楽しかった”などといってくれたから。
…こんなことがあっていいのか…神様よ…!!!!

「と、とりあえず、ちゃんとお返事を…」

それでも手の震えが止まらなかった。


―――

お昼休み。

”初めまして!昨日はお世話になりました&こんなゲス野郎の生放送なんかに足を運んでいただき本当にありがとうございました└( ^ω^ )」♪フォロー感謝です!フォロバさせていただきました♪呼びタメ大歓迎ですので、どうぞ仲良くしてやってください( ◜◒◝ )”

三時間たった今、ようやく彼に返答が出来た。
長かった…気分を害さないようにと慎重に言葉を選んで一時間、やっとあいさつ文がかけた。
しかしそこから記入ボタンが押せずに二時間…

なんてチキンな野郎なんだ私は…これがコミュ障というやつなのか?
最悪だ、こんなところで…


―――

二回目の30分休憩。

携帯のロックの四桁を即座に押し、ルルッターを開く。
また一件、通知が来ていたからだ。
そう、…想太さんから。

ニヤニヤが止まらなかった。
先輩に”涙ちゃんなんかいいことでもあった?”とくすくす笑われたけど、恥ずかしがってる暇なんて無かった。

早く、一秒でも早く、返事が返したかったからだ。

ルルッターを開くと、想太さんからお返事が来ていた。

”ありがとうございます♪わっちのことは、想太でも想ちゃんでもなんとでも呼んでやってください( ー̀ωー́ )呼びタメで大丈夫なんで!!生放送、本当に楽しかったですよ!!ゲスなんてそんなこと思ってないですから!!”

う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…なんだこの人…天使かッッ。
しかも自分の事”わっち”って言ってるんだ…くっそかわいいよ…

なんてかわいい…女子力に長けてる方なんだろうか…

ドキドキがとまらなかった。
まるでこの人に恋しているようなそんな感覚だった…。


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