毒舌彼氏と最悪彼女

毒舌少年と最悪少女の進展



想太さんの誕生日からの二日後。

私にとっては何も変わらないただの平日。
いつも通りに仕事に行って心が折れるまで働いて、疲れて家に帰る。
そしていつも通りルルッターにいっていろんなつぶやきして放送をする。

私にとっては何も変わらない一日。
…けど、いつも通りじゃなかったことが一つ。

…ルルッターのフォロワーさん達のグループができたこと。
そのグループは私の放送を聴いていた七人で出来た。
星羅、りにゃ、ナターシャ、チーズちゃん、私を含めた女の子五人と
想太さん、結城、るーの男の子三人の八人グループ。

チャットの更新はいつも早い。仕事から帰ってくると、必ず通知は500以上は超えている。
それだけみんなで話をしているのだ。
アットホームな人ばっかりで、ただいま、と一言打つだけでみんなおかえり!と即座に返事をくれる。

すごく嬉しかった。そして幸せだった。まるで第二の家族のような存在。
初めてこんな仲のいいグループができた。

しかも、そのグループの中に、…想太さんもいた。
想太さんともっと仲良くなれる機会ができた…!
すっごくすっごく嬉しかった。言葉に表せないくらい嬉しかった。


…けど、その幸せは長く続くわけがなかった。

三月も下旬に入った。
私も仕事がどんどん忙しくなり、クタクタになって帰ってくる毎日。
けどこのグループだけが唯一の癒しだった。
毎日、おかえりと返してくれるこのグループが本当に大好きだった。

そして毎日のように放送している私の生放送。
…しかし、なんで今更…と思うようなやつが私の前に現れる。

「今日もよろしくお願いいたします~!!」

その日もいつものように十一時に放送を開始した。
いつも通り、仕事での鬱憤だったり歌ったり皆と話したり…
本当に楽しかった。

…はずだった。

”初めまして~!”

その一件の一言に青ざめた。


ユーザー名、唯。
しかもアイコンはあいつの顔、本人のアカウントだった。

一瞬で手が震えた。そこで聞いていたフォロワー全員も驚いていた。
放送に来ている人は知っている私の恋愛失敗談での出来事の人物。

…唯だ、あの、唯だ。

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