まんまと罠に、ハマりまして
「そう言えば。渡来の話、途中だったな」


遊覧船が動き出して、景色を見ながら思い出していた私に、課長が、あ、と切り出して。


「あ、はいっ」


私はそこで、ハッとする。
微妙に、さっきのドキドキが蘇ったりもしていて…。

そう。
その後、急にだんまりになってしまった私に。
ウチの会社を選んだ経緯(?)を課長が質問してきて。
話し始めた時ここに到着して、中途半端になっていた。


「最初から決めてたって言ってたな」
「あ、はい。BAは狭き門なので、ダメ元でって感じでしたけど」
「あぁ。そうみたいだな」


でも。
多分この時、私はバカ正直にそれを話すべきじゃなくて。


「とりあえず、求人出てる所は全部チェックして、全部受けようって」


もちろんそれは、いま思えば、な事で、この時は気づきもしなかった。

< 128 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop