まんまと罠に、ハマりまして
─来る!


思って、覚悟を決めて手を握ると、


「渡来。帰り、少し残ってくれるか?」
「…えっ?」


全く予想外の言葉が課長の口から零れて。


「会議室に来てくれ」
「あ、は、い…」
「戻っていいぞ」
「は、はい…」


私は席に戻った。
戻ると、


「大丈夫、渡来さん?」


すかさず。
こそっと、隣のデスク。
小杉さんが声をかけてきて。


「残業って事でしょ?」
「え?あ、そう、ですよね」
「課長と二人で、大丈夫?」

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